2010年11月28日日曜日

<日銀>消費者物価、来年度プラス展望 デフレ脱却薄明かり

 物価の下落が続く中、高額品の一部に最悪期を脱する動きが見られ始めた。ただ消費者の低価格志向は根強く、潮の変わり目につながるのか不透明だ。

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 「不況は続いているが奮発して妻の誕生日プレゼントに買いました」。地下1階から地上5階まで高級時計などを扱う「BEST」新宿本店(東京都新宿区)。さいたま市の自営業、矢内一敏さん(62)は30日夕、50万円を超すオメガの腕時計を思い切って買った。小林正樹店長は「06?07年のピークには及ばないが3月以降売り上げは確実に伸びている」と手応えを語った。

 大丸東京店(同千代田区)では、100グラム3000円もする「松阪牛」が売れ始めた。担当者は「自宅用に買う人が多い。明るい芽が見え始めたのでは」と先行きに期待する。

 一時、撤退が目立ったブランドショップも再度出店する動きが出てきた。イタリアの高級ブランド「サルヴァトーレ フェラガモ」は4月22日、6年ぶりの路面店を六本木(同港区)の繁華街に開店。ノルサ最高経営責任者(CEO)は「日本市場は今年に入り客が増えている。購買力も増してきた」と実感する。

 景気の持ち直しは、住宅市場へのプラス効果もありそうだ。東京?新宿の住宅展示場では、会社員の男性(30)が「金利も高くないし、買い時として悪くない」と語った。住宅メーカーのアキュラホーム幹部は「年明けから売買が活発になってきた。連休商戦に期待している」と話す。

 こうした高額商品の現場からは「消費者の節約疲れや株価の回復」との指摘や景気回復を期待する声が強い。とはいえ、3月の完全失業率(季節調整値)は前月より0.1ポイント上昇の5.0%。先行きの雇用不安は強く、「二極分化が進んでいるだけで、消費の本格回復にはほど遠い」(大手アパレルの社員)との声が根強い。

 30日夕方、東京?銀座の百貨店で買い物をしていた横浜市の主婦(60)は「景気回復の実感はない。安くいいものを真剣に選んでいる」と化粧品を必要な分だけ買ったという。三越や高島屋などは、大型連休の前後にかけて、紳士スーツを2着3万円以下とするバーゲンを展開。2着2万8800円と3万9900円のスーツを販売する高島屋は「2万円台の商品の方が販売の伸びがいい」という。消費者の低価格志向は今後も続きそうだ。【井出晋平、太田圭介、和田憲二、浜中慎哉】

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引用元:石材販売、石材情報の専門サイト

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